新型コロナウィルスの感染者が増えていた8月末。
さいたま市では、学校における通常授業とタブレット等を活用した自宅での同時双方向のオンライン授業を合わせたハイブリッド授業が実施されました。
ニュースで話題となりましたが、学校からの連絡はかなり直前での連絡となりかなり困惑していました。ただ、この時点でワクチンが1回目打ったばかりであったことや、やはり地域の学童や学習塾で感染者がでていた話もあり、家庭内感染となるのは非常にまずかったのでオンライン授業を選択しました。
オンライン授業を選択して受けてみたときの様子・感想です。
事前のオンライン授業接続テスト。準備不足が否めなかったです
事前にオンライン授業のための接続テストの機会がありました。私は日頃Web会議でツールを利用していることもあってすんなり接続。画像がやや不鮮明でしたが、音声はしっかり聞こえていました。ただ、2,3人のみで他の子達がまったく会議にインしてこない状況でした。おそらく、慣れていないご家庭ではかなり四苦八苦していたのではないかと思います。しっかりとした案内があったわけではなく、端末とアカウント情報が渡されていただけでした。よくよく過去のメールを見返すと、オンライン授業に関するリンクが貼られていたのみでした。おそらく、この時点でそこに辿り着けなかった方もいたと思います。また、私のところのケースでは、よくよく見ると他の子達で別の会議が立ち上がっていてそこでワイワイ会話していました。急遽ということでしょうがないとは思うのですが、一般的なWeb会議のツールを利用していたために、生徒側も会議を作成できるようになっていました。別件で習い事の方でもオンラインを受けたことがあるのですが、そちらではしっかり制御されていたのでこの辺りは今後の改善ポイントになるのではと思います。
オンライン授業開始。だけど・・・ほぼ自習状態
翌日以降、実際にオンライン授業がはじまりました。正直、開始してから数日間は、ほぼ自習状態になっていました。ネットワークの問題だと思いますが、ほぼ繋がらず繋がったとしても途切れ途切れで画像・音声が切れていることが多かったです。私の場合は、横に私がついていましたので、私の方で子供にドリルをやらせたり読書をさせたりしていました。2,3日はこの状態でしたね。また、機器のフリーズもたびたび起きていました。長時間ずっとオンライン会議を繋ぎっぱなしになるので負荷がかかったのでしょうかね。結果的に私の場合は、私物の代替機器も用意しておいてすぐに切り替えられるようにしておきました。とはいえ、これが起きるとしばらく授業が途切れてしまうという点はどうしようもなかったです。
また多少繋がるときもありましたが、指示が伝わっておらずに子供が「ポカーン」としていることが多々ありました。うちの子が低学年ということもあるのだと思います。多分日頃は、指示を正しく聞けてなくても周りをみたり先生に聞き直したりして動いているのだと思います。オンライン授業では基本的に一方通行になりますし、先生もオンライン授業の子供を見れるわけではないのでこの辺りが難しいとこだと思います。この点は、後日改善がなされていて、前日の夕方頃に翌日の授業の内容がWeb会議のツールを通して連絡されるようになりました。各時間にどの科目をやるのか、どこの箇所をやるのか、ワークブックを使う場合どこをやるのかということがわかるようになったので、仮に指示がわからなくても親がついていれば子供に教えてあげることが可能になりました。
ここまででご想像通りだと思いますが、「親がついている」ことがほぼ前提になっています。中学生くらいだとわかりませんが、小学校の3,4年生くらいまではなかなか1人でのオンライン授業は厳しかったのではないかと思います。コロナ下でのオンライン授業なので、ご家庭にどちらかはいる状況だとは思いますが、仕事をしながらとなると辛いものがありました。
ネットワーク改善。多少ましな授業にはなってきた?
数日後から、ネットワークのトラブルは少なくなりました。この頃から、学校側からオンラインの子は音声OFFにすることとなりました。動画も基本OFFにする形となっています。完全に先生側からはオンラインの子供の状況が確認できない状態となりました。この辺りから子供の方に若干の変化がでてきました。先生達の方もオンライン授業になれてきているのか、割と普通の授業になってきました。それまではかなりオンラインの子に気を遣いながらの授業だったと思います。これが通常の姿だとは思います。ただ、子供にとっては、自分は先生に見てもらえてない・かまってもらえないといった感情が出てきたのかなと思います。Web会議の機能で「挙手をしたい」「音声をONにして返事したい」と言い出すようになりました。また、教室以外での体育・野外活動の時間は自習となるのは変わりません。子供が割と楽しみにしている図工や音楽も自宅では出来ないことが多く、寂しい思いをしていたみたいです。
初期の頃はほぼ自習状態だったので気にはならなかったのですが、「授業時間」の区切りが非常にわかりづらいということがありました。家には予鈴(キーンコーンカーンコーン)がないからですね。一応、時計が読めるとはいえ、子供は日頃時計ではなく予鈴で動いているのだと思います。授業が終わっても机の前で「ぼーっと」していることもあり、「なにしてるの?」と聞くと「先生が落ちちゃった」という形。実際は授業が終わったのでパソコンを閉じているのだと思います。この辺りは改善する余地があるポイントだとは思います。例えば、オンライン上で「休み時間中。次は◯◯分から始まります」とかがあると良かったと思いました。
最後に
私の家では2回目接種までは至っていませんでしたが、1回目接種から2週間が経ちワクチンの効果も多少期待できるようになったという考えから、オンライン授業を途中で終了にし、通学させることにしました。一番は子供が先生のことが好きで、「先生の授業をみんなと受けたい」という思いが強くなってきたからです。また図工や体育も始まっていてオンライン授業の限界を感じ始めたからです。
今回のさいたま市のハイブリッド授業という取り組みはトラブルもありましたが、コロナという状況下で感染拡大を防ぐ方法としては良い選択だったのではと思います。ただなにぶん、事前準備や説明、事前検証の時間が少なすぎたようには思います。
ワクチン接種が進んだとはいえ、異なる変異株などの影響や他の理由による登校が難しいケースも出てくるとは思います。その時には今回のハイブリッド授業の経験を活かしてよりよい教育を目指してもらえたらなと思います。おそらく、今回先生方や学校関係者の方はとても苦労されたのだと思います。その点について保護者としてはとても感謝したいと思います。